5月3−7日にかけて、スペインのバルセロナで開催された
SETAC Europe 25th Annual Meetingに参加してきました。
http://barcelona.setac.eu/home/?contentid=767&pr_id=766会場のバルセロナ国際会議場
小高い場所からのバルセロナ市街
私は二題のポスター発表を行いました。
両方とも化学物質の複合影響に関する話題で、
〇Nagai T, De Schamphelaere KAC
Mixture toxicity of zinc and copper on the growth of the diatom and comparisons with concentration additive and independent action predictions
は金属の藻類に対する複合影響
〇Nagai T, Taya K, Kitayama I
Can we apply concentration additive and independent action mixture effect model to species sensitivity distribution? - An experimental validation using herbicides.
は除草剤の藻類に対する複合影響、特にSSDへの複合影響モデルの適用について
を報告しました。
複合影響モデルはSSDにも適用可能であることを
実験的に検証した部分は結構ウケが良かったような気がします。
複合影響についての発表は非常に多く、
かなりのホットトピックであることを実感しました。
しかし、ポスターで直接いろいろ話を聞くと、
結構みなさん冷めている印象も持ちました。
結局のところ、レギュラトリーな部分での活用場面では
濃度加算(Concentration additive, CA)で計算する以外に手段がなく、
CAで安全側に予測できているかどうかを
ひたすら色んな物質、生物種で確認しているだけ、
という状況であるとも言えます。
提唱から今年でちょうど20年経った
ファンネル仮説に回帰しつつあるとも言えます。
農薬関連では、やはりネオニコチノイド系殺虫剤は盛り上がっています。
ミツバチに対する影響評価法の発表も多くありました。
しかし、去年あれほど盛り上がっていたメソコスム試験の新しい解析方法
すなわちMDDについては驚くほどに盛り下がっていた様な印象です。
実際にMDDが、規制に関するリスク評価に適用され始め、
ちょっどヤバい方向に進んでいることが露見してきたからかもしれません。
(完全に邪推ですが。。。)
新規試験生物では、
水生高等植物の試験ガイドラインが昨年OECDから公表されたことで、
水生生物はあらかた片付いたという印象で、
(水生菌類のみが最後の砦かも?)
次は陸上動植物に興味がシフトしてきていることがうかがわれました。
もうちょっとマニアックな話については、
また後日書くかもしれません(?)
posted by shimana7 at 22:47|
研究
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