2016年09月11日

近況


夏もあっという間に過ぎ去ろうとしているところですが、
なかなかブログの更新まで手が回りませんでした。
が、しかし、
「永井さんのブログが情報源です」
などと複数の人に言われると
プレッシャーかつもう少し頑張らねば、と思います。

夏に休暇を取っていろいろ出かけると疲れる

休暇を取ると仕事がたんまり積もってしまいさらに疲れる
のバブルパンチでこの夏はついに一度ぶっ倒れてしまいました。

先日は大学の友人の結婚式に出て、
同級生と久しぶりに話したところ、
みんな年相応に身体の不調を訴えており、
自分だけでは無いと少し安心したところです。



最後に本当にどうでも良いですが、
夏の休暇中は実家に帰っておりましたが、
積丹に行って久しぶりにウニ丼を堪能しました。
写真は積丹ブルーの海で有名な神威岬と積丹岬です。
私の地元はこんなところですので是非観光にお越しを!

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posted by shimana7 at 22:40| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年06月21日

【解説】ネオニコチノイド系農薬の規制強化について


現在、環境省では農薬の登録保留基準に対するパブコメの募集が出ています。

平成28年6月6日
「水産動植物の被害防止に係る農薬登録保留基準値(案)」に対する意見の募集(パブリックコメント)について
http://www.env.go.jp/press/102614.html

この中で、
「(参考2)水産動植物の被害防止に係る農薬登録保留基準として環境大臣の定める基準の設定に関する資料」
を見ると、11種類の農薬の基準値の根拠が示されています。

このうち、クロチアニジンとチアメトキサムという
二つのネオニコチノイド系農薬に注目です。

ネオニコチノイド系農薬の生態影響についての規制が今年度から強化され、
新ルール下での初の基準値設定がこの二つになるのです。


まずはこの規制強化の流れをおさらいしてみます。


これまでの制度では、
魚類(コイ)、甲殻類(オオミジンコ)、藻類(Pseudokirchneriella subcapitata)の
3種の生物の急性毒性試験の結果(LC50やEC50)を、
種間の感受性差の不確実係数(魚類と甲殻類は10、藻類は1)
で割った最小値が基準値となっていました。
ところが、このやり方ではネオニコチノイド系農薬など、
これら3種の生物に毒性の低い(そして他の種に対してはより高い毒性が出る)
農薬の基準値が大変緩くなってしまうという問題がありました。

より細かいデータなどは以下の論文に示してあります:
永井孝志 (2016) 種の感受性分布を用いた68種の水稲用農薬の生態影響評価
Journal of Pesticide Science, 41(1), 6-14.
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jpestics/41/1/41_D15-056/_article

この論文の中で、
登録保留基準基準値と種の感受性分布から求めたHC5値(=予測無影響濃度に相当する値)を比較したところ、
ネオニコチノイド系、フェニルピラゾール系、スピノサドというグループにおいて、
現行の登録保留基準の制度が種の感受性分布を用いる方法に比べて、
10倍以上影響を過小評価していることが明らかになりました。

そして、
平成28年3月3日に開催された中央環境審議会 土壌農薬部会農薬小委員会(第50回)
http://www.env.go.jp/council/10dojo/y104-55b.html
においてこの問題が議論され、

「資料4 環境大臣が定める水産動植物の被害防止に係る農薬登録保留基準の設定における種の感受性差の取扱いについて(案)」
http://www.env.go.jp/council/10dojo/y104-55/siryou4.pdf
の中にこの対応が示されています。

結論として
----
@ 今後我が国において新たに登録を受けようとする殺虫剤、及び
A 既に登録されているニコチン性アセチルコリン受容体又はGABA 受容体に作
用する殺虫剤(ネライストキシン系殺虫剤を除く。)
について、水産基準値設定における審査においては、オオミジンコに加えて、農薬取締
法テストガイドラインに定められたユスリカ幼虫を用いた試験(急性遊泳阻害試験。以
下「ユスリカ試験」という。)成績の提出を求めることとする。
----
となりました。
これまでの3点セットの生物種に加えてユスリカの試験が必要になるように
制度が変わりました。
脱3点セットのはじめの一歩です。

このAについては、作用機作で記載されていますが、
要するにネオニコチノイド系、フェニルピラゾール系、スピノサドの
グループを意味します。
これらの農薬は、すでに基準値が設定済みのものであっても
新たにユスリカのデータを加えて再設定されることになりました。


さて、ここまでが長い前置きです。
この制度の変更、つまりユスリカ試験の追加が
基準値の設定にどれほど重要かを見ていきます。


一番初めのパブコメの基準値設定資料を見てみると、
クロチアニジンの毒性データは以下の通り(9ページ目):
----
魚類[@](コイ急性毒性) 96hLC50 > 98,700 μg/L
魚類[A](ブルーギル急性毒性) 96hLC50 > 117,000 μg/L
魚類[B](ニジマス急性毒性) 96hLC50 > 100,000 μg/L
甲殻類等[@](オオミジンコ急性遊泳阻害) 48hEC50 = 38,000 μg/L
甲殻類等[A](ユスリカ幼虫急性遊泳阻害) 48hEC50 = 28 μg/L
藻類[@](ムレミカヅキモ生長阻害) 72hErC50 > 264,000 μg/L
藻類[A](イカダモ生長阻害) 72hErC50 > 259,000 μg/L
----
ユスリカ以外の種にはほとんど毒性が出ないことがわかります。
結果として、ユスリカのEC50値28を不確実係数10で割った2.8μg/Lが
基準値(案)となりました。

もしもユスリカのデータが無ければ、
オオミジンコのEC50値38000を10で割った3800μg/Lが基準値となるところで、
1000倍以上も緩くなってしまいます。


次はチアメトキサムの毒性データを見てみると(32ページ目):
----
魚類[@](コイ急性毒性) 96hLC50 > 118,000 μg/L
魚類[A](ブルーギル急性毒性) 96hLC50 > 114,000 μg/L
魚類[B](ニジマス急性毒性) 96hLC50 > 98,600 μg/L
甲殻類等[@](オオミジンコ急性遊泳阻害) 48hEC50 > 98,600 μg/L
甲殻類等[A](ユスリカ幼虫急性遊泳阻害) 48hEC50 = 35 μg/L
藻類[@](ムレミカズキモ生長阻害) 72hErC50 > 89,300 μg/L
----
同様に、ユスリカ以外の種にはほとんど毒性が出ません。
結果として、ユスリカのEC50値35を不確実係数10で割った3.5μg/Lが
基準値(案)となりました。

もしもユスリカのデータが無ければ、
オオミジンコのEC50値>98600を10で割った9800μg/Lが基準値となるところで、
やはり1000倍以上緩くなります。


今年度からの新制度がいかに大きな変更であるかが
おわかり頂けるのではないかと思います。

ネオニコチノイド系農薬は欧米で規制強化、
日本でのみ規制緩和などと言っている方が結構いますがこれはウソです。
そのような事を言う人は勉強していない人なので、
信用しないようにしてください。
  
posted by shimana7 at 22:24| リスク | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年06月04日

複合影響から実フィールドでの影響評価へ


ここ数年(化学物質同士の)複合影響に興味をもって研究を進めてきましたが、
最近の興味はそこからさらに一歩進んだ
化学物質以外の影響を含むマルチストレス影響の評価です。

この辺の自分の興味の流れは
昨年農業環境技術研究所で行われた有機化学物質研究会でまとめたつもりです。

第15回有機化学物質研究会
農業環境をめぐる有機化学物質研究の昨日・今日・明日−化学物質と環境との調和を目指して−
http://www.niaes.affrc.go.jp/sinfo/sympo/h27/20151105.html?0924

ということで、このときの私の配付資料を公開しておきました。
http://shimana7.web.fc2.com/research/PDF/g3-23.pdf

実際の野外環境では必然的に多数の農薬に曝露を受けるので、
農薬の複合影響の評価法の研究をしてきたのですが、
室内試験に加えて、野外生物調査による検証がも必要となります。

野外だと化学物質以外の影響も大きいため、
これをどう評価するか、ということが次なる課題になります。
上記の資料にも多少は書きましたが、
日本語でまとまった資料というのはあまりなかったと思います。

我らが岩崎さんによる以下の総説も良くまとまっているよい参考文献だと思います。
岩崎 雄一 (2016)
生物群集の応答から金属の“安全”濃度を推定する:野外調査でできること
日本生態学会誌, 66(1), 81-90
http://doi.org/10.18960/seitai.66.1_81
posted by shimana7 at 23:06| 研究 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年04月19日

【論文公開】農薬の用途別使用量


新たに公開された論文の紹介です。

谷地俊二、永井孝志、稲生圭哉 (2016)
水田使用農薬の県別用途別使用量の簡便な推定方法の開発
日本農薬学会誌, 41(1) 1-10
http://pssj2.jp/journal/new/con-jj402.html
(WEBでは会員しかアクセスできません。冊子はすでに出版されています)

殺虫剤は様々な用途があり、大きく分ければ、
使用する場所で水田、畑、果樹、その他など4つに分かれます。
水田で使用する農薬に着目するとさらに、
本田湛水散布、本田茎葉散布、育苗箱施用、無人ヘリ散布など
数種類の使用方法があります。
使用方法によって面積当たりの使用量も違いますし、
使用した後の環境動態も異なるため、
当然そのリスクも異なります。

一方で、殺虫剤はその商品毎に
都道府県毎の出荷量が農薬要覧という資料に統計としてまとめられています。
ただし、1つの殺虫剤商品が複数の使用方法で使用できる場合、
出荷された商品がどこでどのような用途で使用されたかは統計がありません。

PRTR制度では指定された農薬(全部ではない)について、
田、果樹園、畑、家庭、ゴルフ場、森林、その他の非農耕地の
7種類に排出量(≒使用量≒出荷量)が割り振られています。
ただし、水田での用途別の使用量は分別できていませんし、
制度開始前(平成13年以前)まで溯ることはできません。
なによりも限られた農薬のみが対象である点が問題です。
(ネオニコチノイド系殺虫剤は一つも指定されていない!)

そこでこの研究では、殺虫剤14剤を対象に、
農薬要覧に記載された農薬種類別出荷数量を
簡便に用途別に分ける推定方法を開発しました。
この手法は簡便で客観性が高く、
用途毎・都道府県毎・年毎に網羅的に整理可能な方法であることが特徴です。

推定した殺虫剤の用途毎使用量を
PRTR制度によって同様に推定された田における排出量と比較したところ、
同程度の推定手法になっていることが確認されました。


私たちのグループではこの論文の手法を用いて
網羅的な農薬使用のデータベースを作成しています。
いつどこで何がどの用途でどれくらい使われたのかが
すぐに把握でき、それを用いたリスク評価が可能な体制を整えています。

ただし、問題はこれのアップデートです。
外部資金に依存したやり方では継続性に難があります。。。

posted by shimana7 at 22:54| 研究 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年04月11日

【論文公開】金属のMixture Toxicity


ベルギーで行った研究が論文として受理されました。
Accepted articleとして早速公開されています。

Nagai T, De Schamphelaere KAC (2016)
The effect of binary mixtures of Zn, Cu, Cd, and Ni on the growth of the freshwater diatom Navicula pelliculosa and comparison with mixture toxicity model predictions
Environmental Toxicology and Chemistry, in press
http://dx.doi.org/10.1002/etc.3445

4種金属(亜鉛、銅、カドミウム、ニッケル)の二種混合系で毒性試験を行い、
複合毒性モデル(CA, IAモデル)で解析を行ったものです。
この研究でなんといってもすごいのはそのデータの量です。
4種金属の二種類の組み合わせ=6種類
1つの二種混合の組み合わせで7濃度×7濃度=49種類
1つの濃度の組み合わせで6連の試験
全部で約1800点の網羅的なデータを生み出しました。
この結果から以下の2つの頑健な結論を導くことができました:
1.基本的に濃度加算モデル(CA)は安全側推定である。
2.カドミウムは他の3種金属とは作用機作が明確に異なる(IAモデルによる予測が適している)

複合影響は組み合わせが無限にあるので、
数を沢山こなすことが必要になります。
効率的な試験方法を最初に開発したおかげで、
この多数の試験をこなすことができました。
今回もデータは論文の付録データとして太っ腹に全公開です。
いろいろと解析してみたい人はご自由にどうぞ。



そして、論文化する過程においては、
複合毒性について結構曖昧に理解していた部分が
しっかり理解できるようになりました。
複合毒性モデルは予測と解析の2種類の使い方があり、
それらをごっちゃにしてはいけないということがあります。

多くの人がこの二つを混同してして、
CAやIAモデルの予測と実験値を比較して、
外れていたら相乗作用だ拮抗作用だなどと解析的な解釈する、
という間違いを犯しています。
(私もこれまでそうでした)

このような枠組みは以下の論文に詳しいのです:
Jonker et al (2005)
Significance testing of synergistic/antagonistic, dose level-dependent, or dose ratio-dependent effects in mixture dose-response analysis
Environmental Toxicology and Chemistry, 24, 2701-2713
http://dx.doi.org/10.1897/04-431R.1

が、、、
これをいきなり読んで「なるほどそうか」と理解するのは
とてもきびしいでしょう。
自分で研究しながら、その過程で色んな人と議論しながら
少しずつ理解を深める、ということが必要でしょう。



また、査読の過程で最も議論になったのは、
EDTAの分解性の取り扱いです。
EDTAは藻類の培養には必須のものですが、
金属と結合して存在形態と毒性を変えてしまうため、
扱いが非常に難しいのです。

しかも、このEDTAは藻類の培養にやはり必須の光によって分解してしまい、
しかもその分解性は化学形態で変化してしまい、
さらにその分解代謝物も金属との錯形成能があるという、
半端ない複雑さをもった物質です。

金属の生態影響に関するEDTAの取り扱いに関して、
ここまできちんとした議論をした論文はたぶん他に存在しないと思われます。
posted by shimana7 at 22:26| 研究 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年04月03日

種の感受性分布の技術マニュアルが公開

タイトルの通り、農薬の生態リスク評価のために活用を続けてきた
「種の感受性分布」という手法について、
技術マニュアルを策定しました。

これがどんなものかについては、
3月25日付けプレスリリースが分かりやすいです:
農薬の生態リスクを評価する解析手法の技術マニュアルを公開
http://www.niaes.affrc.go.jp/techdoc/press/160325/

マニュアル本体は
旧農業環境技術研究所のWEBサイトで公開されています。
http://www.niaes.affrc.go.jp/techdoc/ssd/
表紙.png

旧農業環境技術研究所は組織としては無くなりましたので、
そのうちに新組織におけるWEBサイトに移行することとなりますが、
しばらくは旧サイトも残っています。


目次は以下の通りです:
1. 種の感受性分布(SSD)とは
1.1. 現行の農薬の生態リスク管理制度と統計学的手法の必要性
1.2. 種の感受性分布
1.3. SSD の発展と議論の歴史
1.4. SSD を扱った公的文書、ガイダンス等
1.5. SSD の他国における活用事例

2. 生態毒性データの収集と評価
2.1. 既存の生態毒性データベース
2.2. 生態毒性データベースの活用
2.3. 農薬の生態毒性情報の収集と信頼性評価
2.4. 農業環境技術研究所の農薬生態毒性データベース

3. SSD 解析
3.1. 確率分布と SSD
3.2. SSD の解析方法
3.3. 主な水稲用農薬の SSD 解析結果
3.4. HC5 と水産保留基準
3.5. SSD とメソコスム試験の結果の比較
3.6. SSD を活用した生態リスク評価

4. SSD の活用 〜発展編〜
4.1. SSD のためのデータ数と生物種
4.2. データが少ない場合の SSD 推定方法
4.3. 複合影響の計算方法
4.4. SSD を用いた生態リスク評価の高度な活用
4.5. 野外生態系におけるSSD の検証
4.6. SSD を用いたリスク評価結果をより良く解釈するために

5. 参考文献

6. 付録
6.1. 略語集
6.2. SSD と生態リスクの計算ファイル
posted by shimana7 at 23:01| 研究 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

所属変更

2016年4月1日より、組織改編によりこれまで所属していた農業環境技術研究所は消滅し、
「国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構・農業環境変動研究センター・生物多様性研究領域・化学物質影響評価ユニット」
の所属となりました。
以前よりも所属名と研究内容の一致度は高まったかと思います。
この所属名の通り、これまでと同様に
化学物質の生態リスクを中心に研究を進めていきますので、
今後ともよろしくお願いいたします。


posted by shimana7 at 22:48| 研究 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年01月10日

新規論文の公開

新しい論文がWEBで早期公開されたのでお知らせします。

Nagai Takashi (2016)
Ecological effect assessment by species sensitivity distribution for 68 pesticides used in Japanese paddy fields
Journal of Pesticide Science
Article ID: D15-056
http://doi.org/10.1584/jpestics.D15-056

日本の水田で主に使用されている68種の農薬について、
種の感受性分布の解析を行った結果をまとめたものです。

論文の重要なポイントは二つあります。
分布の傾きや、感受性の生物種のランキングは
農薬の作用機作によって強く特徴付けられるという点が一つ目。

現行の水産動植物の被害防止に係わる農薬登録保留基準と
種の感受性分布から導かれる予測無影響濃度(HC5)を比較すると、
特定の作用機作の農薬について、
現行の基準値が大きく生態影響を過小評価していることが明らかとなった、
という点が二つ目です。

細かな点では、
現行の基準値ちょうどの濃度であった場合に
影響を受ける種の割合がどれくらいになるかを計算すると、
0.1%以下の農薬から、98.3%の農薬までの幅があったという点も面白い結果です。
つまり、基準値はなんらかの一定の影響レベルを示しているわけでは無い、
ということになります。
(もちろんゼロリスクを意味していない!)

もっと面白いのは、そのような幅がある中で、
68農薬の基準値が示す影響レベルの中央値がちょうど5%になるということです。
(これが面白いと思う人は相当なマニアだと思いますが。。。)

種の感受性分布を使って、HC5を予測無影響濃度とする場合に
「5%の種に影響が出ることを容認するなどというのは認められない」
などと言っている人は、
この結果を見たら一体何と言うのでしょうか?
posted by shimana7 at 00:59| 研究 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

WET試験活用のパブコメ


WET試験の活用についてのパブコメが出ていました。

生物応答を利用した排水管理手法の活用について
平成27年11月
生物応答を利用した水環境管理手法に関する検討会
https://www.env.go.jp/press/101686.html

魚類ではゼブラフィッシュ、
甲殻類ではニセネコゼミジンコ
藻類ではPseudokirchneriella subcapitata
を使うのですが、藻類種の理由として書いてあったことが
おもしろかったのでメモ。

Pseudokirchneriella subcapitataは国内に生息しない種なので、
これを国内の生態影響評価に使うことには以前からいろいろと
議論があったのです。
公的文書の中でこういう言い訳のような記述は実は初めて見たのでした。
よく考えたもんだなあと感心しました。


以下引用
----
16p
@藻類生長阻害試験
藻類の試験では、単細胞緑藻類のムレミカヅキモ( Pseudokirchneriella
subcapitata)が、化学物質審査規制法による試験法の推奨種とされ、OECD テストガ
イドラインなどの既存試験法で最も広く用いられていることから、排水の試験生物種
とすることが推奨される。
ムレミカヅキモは昭和59(1984)年6月に採択されたOECD テストガイドライン201
藻類生長阻害試験では、Selenastrum capricornutum とされていたが、形態的特徴か
ら、P. subcapitata が正しい種名とされ、平成18(2006)年に改訂されたOECD テスト
ガイドライン201 では、P. subcapitata に変更され、現在に至っている。P.
subcapitata は国内生息種ではないが、我が国には、当初推奨種とされていたS.
capricornutum の同属種であるS. bibraianum ( Synonyms: Ankistrodesmus
bibraianus)等が生息しており、水生生物の保全の観点からの環境基準の検討に際し
ても、ムレミカヅキモの試験結果も参照されていることから、本手法の試験生物種と
することが推奨される。
----
posted by shimana7 at 00:43| 研究 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年12月18日

講演予定


来年の講演予定が大分決まってきましたのでお知らせします。
この一年たくさん講演をやらせて頂きました。
来年もよろしくお願いします。


2016/3/18 講演
日本農薬学会第41回大会シンポジウム「農薬の生態リスク評価の最近の動向−室内試験と野外での影響を繋ぐために−」。講演タイトル「室内試験と野外での影響を繋ぐ研究の最前線(仮)」
http://pssj2.jp/congresses/41/taikai41.html


2016/2/26 講演
化学物質の安全管理に関するシンポジウム(内閣府)。講演タイトル「農薬の水生生物に対する複合影響と累積リスク評価(仮)」
(webサイトはもうじき公開)


2016/2/18 講演
第68回北陸病害虫研究会(長野市)。講演タイトル「農薬の生態リスクの評価と管理」
http://hokuriku-byochu.sakura.ne.jp/apph/


2016/1/17 講演
農業環境技術研究所サイエンスカフェ「おはようからおやすみまでに潜むリスク」
http://www.niaes.affrc.go.jp/sinfo/cafe/cafe160117.html

posted by shimana7 at 11:23| 研究 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする