ヤフーニュースの有機栽培に健康効果なし、
というニュースへのコメントが
あまりにもひどくてびっくりしました。
「とにかく農薬は毒は!毒入り野菜は食べたくない」
的なコメントばかりです。
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「有機」に健康効果なし=一般食品と栄養変わらず−英調査
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090730-00000016-jij-int
【ロンドン時事】農薬や化学肥料の使用を減らして作られた有機食品の栄養は、一般的な食品とほぼ変わらず、取り立てて健康に好ましい効果をもたらすわけではない−。英食品基準庁が委託した調査報告が29日公表され、消費者が抱く有機食品の効能とは反する意外な結果が明らかになった。
委託を受けたロンドン大学衛生熱帯医学大学院が、過去50年間に発表された文献を精査した。13の栄養素のうち、ビタミンCやカルシウムなど主要10栄養素では栽培方法によって大きな違いは出ないとの結果が得られたという。
食品基準庁は調査結果について、「有機食品を食べるなという意味ではなく、食べたからといって健康面でより優れた効果が得られる証拠はないことを示している」と指摘している。
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有害性の面で有機栽培にメリットがないことは
とうに決着の付いている話なのです。
そうすると今度は、
栄養面でメリットがある、
と有機振興派が主張しだしたので、
調査したらやっぱり効果が無かったというものです、
「有機栽培」は有機JAS認証を受けることで
表示をすることができます。
一方「無農薬」や「減農薬」という表示は
定義が難しいため禁止されています。
有機=無農薬と勘違いしている人がとても多いのですが、
有機でも指定されている農薬は使えます。
「減農薬」の表示は禁止ですが、
慣行よりも農薬使用回数を減らした場合
「特別栽培」という表示ができます。
このネーミングが最悪で、
「特別栽培」の意味を知っている人はほとんどいないと思います。
以下はリンクです。
どれも一読の価値ありです。
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安心!?食べ物情報
有機栽培について
http://food.kenji.ne.jp/review/review508.html
そろそろ無農薬/有機栽培野菜に対する盲信を見直してはどうか
http://d.hatena.ne.jp/LM-7/20080817/1218954695
食品安全情報blog
オーガニックについてのレビュー発表
http://d.hatena.ne.jp/uneyama/20090730#p6
●有機農産物には残留農薬が少ないから健康への悪影響が少ないという主張は残留農薬モニタリング結果によって既に何度も何度も否定されている
有機農産物からも残留農薬は検出される。頻度は多少通常農薬より少ない。しかし基準違反という尺度を用いれば圧倒的に有機農産物の基準違反の方が多い。有機では認められていないはずの農薬がしばしば検出されるから。健康影響に関してはどっちもほぼ影響なし。
ただし英国やヨーロッパの話。日本で怪しげな「資材」を使って「無農薬」と称している人たちの作るものについてはデータがないのでなんとも言えない。
うちの研究所に電話してきた人は農薬として認可されているもの以外を使えば「無農薬」だと主張していた。その人が害虫を殺すために使っていたのは毒性の強いストリキニーネ。使わないでくれと言っても無農薬ではそれが常識みたいなこと言ってた。
少なくとも有機JASですらない「無農薬」と勝手に主張しているモノについては信頼できない。
●通常農産物が有機より有害ではないと言われて有機推進団体が持ち出してきたのが栄養価が高いとか健康に良いとかいう主張。Soil Associationなどがここ数年それを宣伝文句にしてきた。
今回の報告書はそれを否定している。
●環境影響は食品の安全性とは違う問題なのでFSAは議論していない。
ただし有機農産物のほうが単位面積あたりの収穫量が少ないのは厳然たる事実。ジャガイモで収量半分というデータがある。原野を保護するのが環境保護なら耕作地を増やすのは当然環境負荷が高いということになる。
●英国におけるオーガニック食品のメリットの最後の砦は動物愛護とGM反対。
しかしながらオーガニックチキンやビーフや牛乳よりベジタリアンのほうが理論上は圧倒的に分がいい。
GM反対は宗教のようなものだから、例え栄養に優れ農薬使用量が少なく単位面積あたりの収量が多くて環境負荷が少なくても反対するのだろう。