2009年05月25日

続・インフル

インフル対策がかなり方向転換をして、
季節性と同様の扱い方に動いたのはとても良かったです。

あとはマスクの習慣をやめて欲しいです。
ウイルスの粒子の吸い込みを
花粉のようにマスクで防ぐことは難しいでしょう。
大気中の微粒子の環境動態を研究した経験から考えると、
ウイルスのような大きさ1μm以下の粒子は
マスクと顔の間にほんの少しでも隙間があればそこから侵入し、
マスクの外と中の濃度はあまり変化が無くなると思います。
花粉のような大きさ10μm以上の粒子とは
そのあたりの隙間からの侵入しやすさが全く異なるのです。

顔につばがかかるくらいの至近距離で、
直接顔に向かって咳やくしゃみをされる、
くらいの状況でしかマスクの予防効果は期待できないでしょう。

インフルに関しては事実関係と考え方についての以下の二つのサイトを見れば十分だと思います。

事実関係はココ
http://idsc.nih.go.jp/disease/swine_influenza/index.html

考え方は以下のブログ
http://www.kimuramoriyo.com/25-swine_influenza/

以下いくつか抜粋
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インフルエンザにかかってもいない人がマスクをするのも日本人だけですが、マスクがインフルエンザ感染を予防したというエビデンスはありません。
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患者が出た学校の校長先生が「マスクをさせていればこんなことにはならなかったかも」と言っていましたが、校長先生そんなことを考える必要はありません。校長先生の後悔は「もし息をしていなかったらカゼにはかからなかったはず」と嘆くくらいの杞憂です。
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発熱外来をおかない医療機関に対して発熱した患者を拒否してはいけないという事務連絡が出ました。

http://www.mhlw.go.jp/kinkyu/kenkou/influenza/090506-02.html

厚労省から地方自治体への「事務連絡」は事務連絡ではなく、事実上の「命令」です。

 医療機関には抗がん剤を使っている患者さんもいます。白血病の治療をして免疫機能が低下している子供もいます。入院患者ばかりでなく外来にもこうした弱い人たちが訪れます。

 今回の命令は、そのような人たちがいても新型インフルエンザ疑いの患者を断るな、ということです。発熱外来とは新型インフルエンザとそれ以外の人たちを区別すべく作られているものですが、敷地の問題、マンパワーの問題あるいは予算の問題から多くの医療機関は、発熱外来を作れずにいるのです。

 今回の厚労省通知は、体の弱い人や免疫が低い人が新型インフルエンザに感染して命を落とすこともいとわないと言っていると同じ事です。実際アメリカでは呼吸器に持病を持つ人が新型インフルエンザで命を落としています。
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 うがい手洗いは有効です。そして何よりウイルスにかからないような健康な状態を保つことが一番大切なのです。
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posted by shimana7 at 01:17| 社会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年05月10日

インフル関連メモ

WHO
渡航に関するQ&A
http://idsc.nih.go.jp/disease/swine_influenza/2009who/09who35.html

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Q. 旅行しても安全ですか?

 (旅行の制限は)むしろ地球共同体に対して大きな破壊的影響が懸念されます。

 数学的モデルに基づく科学研究によれば、旅行の制限はインフルエンザ感染症の流行を防止するためにわずかな利益しかないか、または全く利益がないことが示されています。これは、過去におこった世界的規模のインフルエンザ大流行を記した歴史的記録や、SARSの経験からも立証されています。



Q. WHOは出入国の際に病気のヒトが旅行しているかを検出するスクリーニングの実施を推奨しますか?

A. いいえ、推奨しません。我々は出入国のスクリーニングがインフルエンザの広がりを減らすために有効であるとは思いません。しかし、公衆衛生のリスクに対応するための国レベルの方策は、国際保健規則2005によって、各国の当局が決定することであるとされています。
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日本の水際対策の費用対効果がどのくらい高いのかはわかりませんが、このやり方は限界が来ているように思えます。あまりこだわりすぎるとBSEの全頭検査のような失敗を犯すのでは、という危惧があります。



面白かったのでリンクを張ってみる。
新型インフルでテレビでひっぱりだこの根路銘さん(元厚生省?)の逸話

根路銘国昭氏の話
http://venacava.seesaa.net/article/113324072.html

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(インフルエンザのワクチン政策で論争があった後に)
「この会議の後、対立したアメリカの学者とすごく仲良くなった。日本人同士だとこうはいかない」
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日本人同士だとこうはいかない、というところに激しく同意。

posted by shimana7 at 17:01| 社会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年04月30日

ブタインフルエンザ 〜評価を間違うと管理も必ず間違う〜

ニュースでも厚労省のサイトを見ても管理対策のことばかりで、評価に関する情報(詳しい発生状況)が非常に少ないと思います。以下のサイトでようやく正確な発生数がわかります。

http://idsc.nih.go.jp/disease/swine_influenza/2009who/09who09.html

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 状況は急速に進展し続けている。2009年4月29日18時00分世界標準時(訳注:日本時間 4月29日午前3時00分)現在、9カ国が合計148例のブタインフルエンザA/H1N1感染を公式に報告している。アメリカ合衆国政府は91例の検査確定されたヒト症例を報告しており、1名の死亡者がいる。メキシコ政府は、7例の死亡例を含む26例の確定ヒト症例を報告している。

 以下の国が検査確定された症例を報告しているが、死亡者はいない:オーストリア(1例)、カナダ(13例)、ドイツ(3例)、イスラエル(2例)、ニュージーランド(3例)、スペイン(4例)、英国(5例)。

 状況に関するさらなる情報はWHOのウェブサイトで定期的に閲覧可能になる。

 WHOは通常の旅行の制限や国境の閉鎖をなんら勧告していない。体調の悪い人は国際渡航を延期し、国際渡航ののちに症状を呈している人は医療機関を受診することを、国の当局の指針に沿って行うことが賢明であろう。

 十分に調理された豚肉や豚の加工製品を消費することで、このウイルスに感染するリスクもない。個々の人々は、定期的に石鹸と水でしっかり手を洗うことが勧められ、インフルエンザ様疾患の症状を呈した際には医療機関を受診するべきである。
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WHOの公式発表による死亡数はメキシコでも7名、米国で1名で、ニュースで流れている150人とかいうのは疑いを含む数であり、正しい情報ではないということがわかります。

評価が間違っていると管理も間違ってしまう。評価の重要性の認識が低すぎるように感じます。政府はお金に糸目はつけないからやれることはすべてやる、なんて言っていますが、突っ走り気味なところが怖いと感じてしまいます。ワクチンを作るキャパシティは決まっているのに、季節性インフルエンザのワクチン製造を大幅に削ってでも新型ワクチンをつくるという。ワーストケースのリスク評価ではこのバランスを間違ってしまうでしょう。ぜひリスクトレードオフの判断を間違えないでほしい。

そのうち、あまり根拠のない全海外渡航の自粛や、豚肉の輸入制限などが行われてしまうでしょう。WHOは「通常の旅行の制限をなんら勧告していない」と言い切っています。ウィルスはそのうち日本にも入り込むし、日本の方が安全などという証拠は何もありません。データから判断するに、日本人の取れる行動としてはメキシコと米国には行かない、くらいのことで現時点では充分ではないでしょうか(米国の方がメキシコより感染例が多いよう)。

posted by shimana7 at 21:48| 社会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年04月21日

みつばち

ミツバチが減っている、というニュースが流れていますが、
ダニとか農薬が疑われているようですね。
例えばコチラ
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090410-00000091-san-bus_all


何でも農薬のせいにしておけば安心なのかもしれませんが、
思い込みは本質から遠ざかってしまう危険があります。

減っているのはセイヨウミツバチだけであり、ニホンミツバチは減っていない。
どうもセイヨウミツバチは病気やダニに弱く、ニホンミツバチは自分でダニを駆除できるなど強いみたいです。
また、殺虫剤については、ニホンミツバチだけがセイヨウミツバチよりも特異的に強い、というのは考えにくいので、ダニや病気の影響と考えるのが通常でしょうね。



なにやら影響が疑われている「新農薬」とはネオニコチノイド系殺虫剤のことです。
使用量は1993年の登場から2004年頃まで徐々に増加してますが、
その後は頭打ちの状況であって、近年突然使用量が増えたわけではありません。
新しい農薬といわれていますが、もう15年も使われているものなので、なぜ今更「新農薬の影響」などといわれるのでしょうか。

もともと多く使われていた有機リン系の殺虫剤などに比べれば、ネオニコチノイドなどの比較的新しい殺虫剤は選択性が高く(非標的生物に対する毒性が弱い)、昔よりもよっぽどマシになっているのです。このような剤に代替されることによって生態系への影響は減ってきているはずです。

もちろん農薬による事故的な影響事例がこれまでまったく無いわけではないでしょうが、だからといって、何でもかんでも農薬のせいにしていては、解決には向かわないでしょう。



セイヨウミツバチは上記のようにダニに弱いので、きちんと農薬をつかってダニを駆除する必要がありますが、これが不十分であった可能性もあります。不適正な使用によってダニが耐性を持ってしまうこともあります。適正に農薬を使用することが実はミツバチを減らさない方法だと思います。

養蜂のダニ駆除に使える農薬はアピスタン(有効成分フルバリネート)というピレスロイド系殺虫剤がありますが、耐性を持ったダニも出てきているということで、複数の剤を開発する必要があります。



銀座ミツバチも日本ミツバチは死なず、西洋ミツバチだけが死んだようです。
http://ginza.keizai.biz/headline/902/

銀座のど真ん中で水稲用の殺虫剤を散布するなどということは考えにくいですね。ダニの防除をどうするか、ということを考えた方が良さそうです。



食品安全情報ブログでも下のような記事を見つけました。
こういう方向の解決策をはかっていったほうが良いのではと思います。

http://d.hatena.ne.jp/uneyama/20090410
■[USDA]農務長官VilsackとファーストレディMichelle Obamaが健康的な食生活について強調する
Agriculture Secretary Vilsack and First Lady Michelle Obama Highlight Healthy Eating
April 9, 2009
http://www.ars.usda.gov/is/pr/2009/090409.2.htm
http://www.usda.gov/wps/portal/!ut/p/_s.7_0_A/7_0_1OB?contentidonly=true&contentid=2009/04/0099.xml
タイトルとはあまり関係なくミツバチの話
7月からUSDAは寄生虫耐性ミツバチ2種をホワイトハウスのガーデンに提供する。
ARSの科学者は2種類のダニ耐性ミツバチを開発した。1つはvarroaダニに極めて感受性の高い衛生性質を持つハチで、巣の中
に感染したハチがいることを検出して排除する働きバチがいる。もう一つはロシアから導入したvarroaダニとtrachealダニ
の両方に耐性のあるハチである。これらのハチはダニ駆除のための農薬の必要性を削減する。

posted by shimana7 at 00:18| 社会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする