2020年04月05日

ウェブサイトリニューアルのお知らせ

2020年4月より研究に復帰しました。
あわせてウェブサイトをリニューアルしたのでお知らせします。
新しいウェブサイトは以下です:
永井孝志のWebsite

ブログもリニューアルして情報発信も再開します:
リスクと共により良く生きるための基礎知識

このブログは過去ログとして当面の間残しておきます。
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2018年04月02日

更新停止のお知らせ

2018年4月より、農研機構・農業環境変動研究センター・企画連携室・企画チーム長を拝命し、研究所の管理部門の業務に従事することになりました。

研究は一旦セミリタイヤ状態になりますので、新たな仕事の依頼は引き受けられません(どうしても、というのはご相談下さい)。

それに伴い、このブログの更新はほぼ停止状態になるかと思います。

そもそもこの数年間は多忙を極めて情報発信的なことはほとんどできない状態になっていました。

ブログなどはリニューアルして情報発信を強化することを考えていました。そのためには今の仕事のやり方は根本的に見直す必要があり、今年度からまさにそれを実行しようと思っていた矢先の異動となりました。

研究の仕事に復帰した際には再チャレンジしようと考えており、それまではこのブログは一応このままにしておきます。
posted by shimana7 at 21:23| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年10月27日

今年残りの活動予定


今年もあとわずか二ヶ月になってしまいました。
今年中の活動予定はこんな感じです。

1.The 7th SETAC World Congress/37th SETAC North America Annual Meeting
2016年11月6-10日 フロリダ州オーランド
https://orlando.setac.org/

二件のポスター発表をします。
金属関係1つと農薬関係1つです:
「Effect of pH and hardness on the toxicity of zinc, copper, cadmium, and nickel to the freshwater diatom Navicula pelliculosa」
「Regional distribution of ecological risks of pesticides in Japan - Integrated analysis of environmental model and species sensitivity distribution」



2.2016年度 第29回日本リスク研究学会年次大会
リスク概念の理解と普及に向けて
会期:平成28年11月25〜27日
会場:大分市 ホルトホール大分
http://www.sra-japan.jp/SRAJ2016HP/indexjp.htm

企画セッションとタスクグループ活動報告で発表します。
企画セッションは昨年度好評だった身近なリスクシリーズです。
私はリスク比較にがっつりと取り組みます。
なんだか311以降、リスク比較そのものが
タブー視されてきたように思うのですが、
決してそんなことは無い、リスクは定量化して比較してなんぼ、
だと思っています。

企画セッション「身近で見過ごされてきたリスク2」
http://www.sra-japan.jp/SRAJ2016HP/kikaku_session-3.htm

企画責任者:村上道夫(福島県立医科大学)
平井祐介(経済産業省資源エネルギー庁)

社会でも、また本学会においても、これまであまり着目されてこなかった「身近で見過ごされてきたリスク」について、昨年度年会に続く第二弾として、3分野 3名の研究者の方から、発表頂く。また、新たな試みとして、セッションの前に学会参加者に自身が思う「身近で見過ごされてきたリスク」を1つ挙げてもら い、紙に記載していただいたものを申請者が回収し、コメンテーターがその中からピックアップしたリスクについても考える、発表+参加型のセッションとする。

発表者
1:永井孝志 (国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構)
  リスクのモノサシで測る身近なリスクランキング

2:竹林由武  (福島県立医科大学医学部/統計数理研究所リスク解析戦略研究センター)
  自殺の総合的対策に向けたリスクアセスメント

3:西一総 (横浜国立大学大学院環境情報学府博士課程)
  近年における美容・化粧品リスク顕在化の実態と消費者認知の動向

コメンテーター 岸本 充生(東京大学公共政策大学院)



3.国立環境研究所 第10回生態影響試験実習セミナー
http://www.nies.go.jp/risk_health/referencelab_seminar_10.html
第10回目となる今回は、ニセネコゼミジンコを用いた繁殖試験とセスジユスリカを用いた遊泳阻害試験を対象に平成28年12月14日(水)〜16日(金) の3日間の日程で開催します。

私は2日目の「農薬のリスク評価の最新動向」の講義を担当する予定です。



そんなことで、またどこかでお目にかかりましょう。
posted by shimana7 at 22:31| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年09月11日

近況


夏もあっという間に過ぎ去ろうとしているところですが、
なかなかブログの更新まで手が回りませんでした。
が、しかし、
「永井さんのブログが情報源です」
などと複数の人に言われると
プレッシャーかつもう少し頑張らねば、と思います。

夏に休暇を取っていろいろ出かけると疲れる

休暇を取ると仕事がたんまり積もってしまいさらに疲れる
のバブルパンチでこの夏はついに一度ぶっ倒れてしまいました。

先日は大学の友人の結婚式に出て、
同級生と久しぶりに話したところ、
みんな年相応に身体の不調を訴えており、
自分だけでは無いと少し安心したところです。



最後に本当にどうでも良いですが、
夏の休暇中は実家に帰っておりましたが、
積丹に行って久しぶりにウニ丼を堪能しました。
写真は積丹ブルーの海で有名な神威岬と積丹岬です。
私の地元はこんなところですので是非観光にお越しを!

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posted by shimana7 at 22:40| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年06月11日

講演予定


日本学術会議主催「安全工学シンポジウム2015」
http://www.anzen.org/index.html
にて、7月3日に講演+パネルディスカッションに参加します。
会場は日本学術会議です(初めて行きます、六本木にあるんですね)。


パネルディスカッションのテーマは
「工学システムに対する社会の安全目標 」
です。
以下のミニ講演6題の後に、
講演者6名で100分ほど議論が行われるとのことです。

工学システムの社会安全目標の実用化に向けて
○野口和彦(横浜国立大学)

原子力の安全目標
○成合英樹(筑波大学)

船舶の安全目標
○田村兼吉(海上技術安全研究所)

化学プラントの安全目標
○中村昌允(東京工業大学 イノベーションマネジメント研究科)

食の安全から考える安全目標と基準値
○永井孝志(国立研究開発法人農業環境技術研究所)

化学物質分野における安全目標 vs. 代替アプローチ
○岸本充生(東京大学)


私の話は「基準値のからくり」ネタを持ち出して、
それと現在議論されている安全目標とを関連付けて議論しようと思います。

安全目標については、
日本学術会議が2014に以下の報告書を公表しています。
工学システムに対する社会の安全目標 - 日本学術会議
http://www.scj.go.jp/ja/info/kohyo/pdf/kohyo-22-h140917-2.pdf
ALARPの考え方等が紹介されています。

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2015年01月08日

2015年


ベルギーから日本に帰国し、2015年が幕あけました。
まだまだ生活は落ち着かなく、職場では書類の山と格闘しているところです。

ベルギーでの研究生活を総括したいところですが、
ベルギーではいろんなことがありすぎて、
さらに今やるべきことがたくさんありすぎて、
もう少し先になりそうです。


さて、正月中にちょこちょこっとWEBページを更新し、
「基準値のからくり」のまとめサイトを作りました。
http://shimana7.web.fc2.com/topics/karakuri1.html


活動予定としては、3月の生態学会(鹿児島大学)で発表します。
http://www.esj.ne.jp/meeting/abst/62/T08.html

国環研の林さん企画のネオニコチノイド系農薬についての話題提供です。
私の発表タイトルは「ネオニコチノイド系農薬の基礎知識」
ということで、
農薬やっている人なら当たり前な知識、
でも生態屋さんは案外知らないかも?
というようなことを話すことになります。

というわけで今年もよろしくお願いします。
posted by shimana7 at 22:48| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年06月08日

EUオープンドア

もうすぐ重要な告知を行う予定ですが、
とりあえず軽いネタをいきます。

5月9日はヨーロッパデーということで、
これを記念して5月にはEU各施設の一般公開があります。

EUといえば、昨年ネオニコチノイド系殺虫剤の
期限付き使用禁止を決めるなど、
化学物質管理政策においても重要な役割を果たしていますので、
その動向は我々も常にチェックする必要があるわけです。

ただ「EUの中身」はとても複雑で
外から見ていてよくわからない、
ということでとりあえず見学してみたいと思っていました。

もともとヨーロッパデーといわれる5月9日は、
欧州石炭鉄鋼共同体創設の基礎となる
当時のフランス外相シューマンによる
「シューマン宣言」が1950年に行われた日であるようです。
この欧州石炭鉄鋼共同体が後に欧州連合EUにつながるわけですね。

そして5月17日にはブリュッセルのEU各施設の一般公開がありました。
EU各施設に行くにはブリュッセルの地下鉄で
その名も「シューマン駅」で降ります。

降りるともうすでに(便乗的な)お祭り騒ぎです。

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広い公園にはシューマンの像があります。

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でもって公園の奥にあるのは凱旋門です。
すごいスケール!(の割に日本では全く無名。。。)

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とりあえず欧州委員会からということで、
有名なベルレモンビルに入ります。
壮観ですねえ。

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ここはわりと子供向け展示が多くて、
子連れで行っても楽しめるかと思います。
写真は土壌の生物多様性についての展示です。
我々が毎年やっている研究所の一般公開みたいですね。

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次に欧州理事会と閣僚理事会のビルです。
奥に建設中なのは新しい会議室ビルです。
現在のビルでは会議室が足りなくて困っているのだそうです。

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ここは最初あまり期待せずに向かったのですが、
少人数のガイドツアーでじっくり中を見学できたので
非常に満足でした。
ガイドをしてくれたのは、
普段会議の翻訳業務をしているルーマニア人の方でした。
24カ国語が「公用語」となっているEUでは翻訳・通訳業のメッカになっています。

理事会の会議室では各国代表のイスに座って
代表になった気分で写真を撮ったりできます。
EU大統領の席に座っちゃったりもできます。
各席の後ろには同時通訳ブースがあるのが見えますね。

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さて、最後に目玉の欧州議会です。
ひときわ目立つビルで豪華さが違います。

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24カ国語で「欧州議会」と書いてあります。

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外ではなんだかよくわからないお祭り騒ぎもあって、
賑やかな雰囲気です。

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プラネタリウムか!?という雰囲気の議場

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ここではクイズラリーなどもあって、
答えると景品が貰えるようでしたが、
時間が無いので断念。
EUについて遊びながら学べるようなクイズラリーになっています。

まじめに見ていくと1日では足りません。
駆け足で一通り見ていきましたが、
それでもかなり足が棒になりました。

ブリュッセル近郊にいるなら是非一度は見てみたいものですね。


ある程度予備知識を付けてからいくともっと楽しいと思います:
日経文庫 EUの知識 (藤井良広著)
http://www.amazon.co.jp/EU%E3%81%AE%E7%9F%A5%E8%AD%98-EU%E3%81%AE%E3%81%A1%E3%81%97%E3%81%8D-%E8%97%A4%E4%BA%95-%E8%89%AF%E5%BA%83/dp/4532112907/ref=dp_ob_title_bk
posted by shimana7 at 08:08| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年05月02日

ベルギーから

ご無沙汰しております。

4月から職場の海外長期派遣制度により、
ベルギーのゲント大学に滞在中です。
こちらでは、水生生物に対する化学物質の複合影響評価
の研究に取り組んでいます。

所属ラボのWEBサイト:
http://www.milieutox.ugent.be/

4月は生活の準備、新たな解析法の勉強、実験の準備
(あと日本から持ち込んだ仕事)
などで慌ただしく過ぎ去っていきました。
そろそろ腰を据えて研究したいです。

こちらの生活なども書いてみたいところですが、
いまのところ全く余裕無しです。
とりあえずチョコレートとビールとワッフルの摂取量が増加中です。

最後に全く関係ありませんが、
写真はお気に入りの近所の散歩コースです。
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posted by shimana7 at 05:18| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年09月01日

水産分野での生態リスク


今回は文献の紹介です。

眞道幸司 (2013)
水域における化学物質の生態影響リスク推定の現状と水産環境保全に向けた課題
海生研研報,第16号,29−50,2013
http://www.kaiseiken.or.jp/publish/reports/lib/2013_16_03.pdf

良くいろいろ調べてまとめているなあ、と思います。
水産の分野でも生態リスク評価が動き出しているのでしょうか。
海産の試験生物種などは興味深いところです。


種の感受性分布にも若干の記述がありますが、
OECDや米国で「導入が検討されている」、
とか
HC5とPECを比較するリスク評価手法が実用化「されつつある」、
とかいう表現になっているのが気にかかるところです。

米国ではすでに30年近くにわたって運用されていますし、
EUやオーストラリアなどの水質基準は
すでに多くの物質で種の感受性分布から決められています。


とは言いつつも、なかなかこのような日本語の総説はないので、
重要な日本語総説となるのではないかと思います。


posted by shimana7 at 21:37| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年03月23日

農薬学会2013まとめ


日本農薬学会第38回大会@筑波大学では、
自分が関係する発表として以下の4題がありました。

1. ○永井孝志、安納弘親
藻類生長阻害試験の統計解析方法:RExcelで行う非線形回帰分析

2. ○堀尾剛、稲生圭哉、岩ア亘典、横山淳史、永井孝志、依田育子
茨城県桜川流域における水稲用農薬の挙動 -本流および支流における水中濃度の比較-

3. ○矢吹芳教、相子伸之、永井孝志、稲生圭哉
パッシブサンプラーを用いた河川農薬モニタリングへの適用の検討

4. ○谷地俊二、永井孝志、岩崎亘典、稲生圭哉、横山淳史
農薬普及率の推計値を用いた地域性と経年変化の評価



1. の発表では、
・現在広く行われている毒性試験の統計解析はなぜダメか?
・ではどんな解析をどうやってやれば良いのか?
を話しました。

・NOECの欠点やら、EC10を計算する場合のProbit変換の問題点などの解説
・RExcelを用いた濃度反応関係の解析方法
を説明して、
実際の毒性試験データを用いて計算し、従来法の結果と比較を行いました。
NOECは0.3-17%の影響レベル(EC0.3〜EC17)に相当する結果となりました。


2. の発表では
河川水中農薬モニタリングの結果を報告しました。

質疑の時間に、モニタリングのデータを出すときは、
濃度だけじゃなくてそれが生物にどのくらいの影響があるのかを
同時に出すことが重要、とのコメントがありました。

ぱっと思いつくのが基準値との比較があって、
「基準値以下だから大丈夫です」
という言い方はとても簡単です。
ただしこれは諸刃の剣。
簡単で説明しやすいのですが、リスクを二分法に持っていく弊害があり、
まるで基準値以上なら危険かのような印象を与えるので
後々自分の首を絞めることになってしまいます。

モニタリングデータを有効活用するような
リスクの定量評価ツールを早く出さなければと思います。


3. の発表では
2.と同じく河川水中農薬のモニタリングなのですが、
水中に沈めておくタイプのパッシブサンプラーを用いた点が新しいです。
金属ではDGTの使用が徐々に広がりつつありますが、
農薬での水中パッシブサンプリングは
日本での活用事例はたぶん初めての報告かもしれません。
(SETACではそれだけでセッションができるほど盛り上がってます)


4. の発表では、
農薬が、いつ、何が、どこで、何に、どれくらい使われているのかの
データベースをまとめて解析した例を発表しました。

「いつ」は現在からとりあえず20年さかのぼれます。
「何が」は各種殺虫剤、
「どこで」は各都道府県レベル、
「何に」は主に水田での散布や育苗箱施用をメインターゲットとし、
「どのくらい」は水田の何%でそれが使われているかの普及率で表現しました。

ある程度簡便に、そして網羅的に解析できる手法になっています。

posted by shimana7 at 22:34| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする