2018年03月13日

複数農薬の累積的生態リスク評価ツール NIAES-CERAP


新しいリスク評価ツールが公開されました

複数農薬の累積的生態リスク評価ツール NIAES-CERAP
http://www.naro.affrc.go.jp/publicity_report/pub2016_or_later/laboratory/niaes/manual/079666.html

概要の部分を以下に引用します:
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これまでに、種の感受性分布の概念を用いて農薬の生態リスクを定量的に評価する手法を開発し、簡便な評価ツールを公開してきました(技術マニュアル:農薬の生態リスク評価のための種の感受性分布解析)。
ただし、このツールは個別の農薬のリスク評価にしか対応していませんでした。個別の農薬のリスクが低いと判定された場合であっても、実際の環境中では数十もの多種類の農薬が同時に検出されるため、複数の農薬の複合影響を考慮して累積的な生態リスクを評価することが必要となります。
そこで、既存の複合影響予測モデルを組み合わせて多数の農薬の複合影響を評価できる NIAES-CERAP (Cumulative Ecological Risk Assessment of Pesticides) を新たに開発しました。モニタリングなどによって得られた複数の農薬の環境中濃度を入力すると、評価結果が表示される簡便なツールとなっています。
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これまでにSSDを用いた生態リスク評価手法の開発を続けてきましたが、今度はSSDと既存の複合影響予測モデルを組み合わせて、多数の農薬の曝露下での累積リスクを計算できるように改良を行ったものです。

元となる論文は以下のものです:
Nagai T (2017)
Predicting herbicide mixture effects on multiple algal species using mixture toxicity models
Environmental Toxicology and Chemistry, 36(10), 2624-2630
http://dx.doi.org/10.1002/etc.3800

除草剤-藻類を対象に、5種類の除草剤を混合して5種類の藻類に曝露させ、その応答を影響を受ける種の割合で表現しました(5種の藻類のうち、1種が影響を受けたら20%とするなど)。

これとは別に、それぞれ5種類の除草剤の単独のSSDと複合影響予測モデルを組み合わせて、影響を受ける種の割合を予測します。

この両者を比較したところ、作用機作が同じ除草剤を混合した場合は濃度加算モデル(CA)、作用機作が異なる除草剤を混合した場合は独立影響モデル(IA)がより良い予測結果を示していました。

この結果は、既存の複合影響モデルが単独の生物の影響のみではなくSSDのような多種系にも適用可能であることを示しています。

私自身はこのような計算をRを使ってやっていますが、これをエクセルに濃度を入力するだけで計算できるようなツールを作りました。農薬の濃度モニタリングを行っている方にはぜひとも使っていただきたいツールとなっています。



posted by shimana7 at 22:55| 研究 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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