2017年11月06日

日本リスク研究学会第30回大会@滋賀大学に参加しました


日本リスク研究学会第30回大会@滋賀大学に参加しました。
http://www.sra-japan.jp/SRAJ2017HP/indexjp.htm

私はこの大会で
「リスクが高いのはどっち? 〜リスク比較のからくりを探る〜」
という企画セッションを開催しました。


わかりやすいリスク比較として、
「○○と△△でリスクが高いのはどっち?」と示す手法があります。
今回は以下の3つのリスク対決を用意しました:
・やせ vs. 肥満の総死亡リスク
・野球 vs. サッカー:スポーツをめぐるリスク
・乗り物対決 〜移動にかかわるリスクの比較〜
いずれも「身近なリスク」に分類されるものです。
(リスク学会ではここ3年くらい身近なリスクに関連する企画をやっています。)
こういうバラバラな分野のリスク比較事例を
共通した切り口で見ることができるのがリスク学会の一番の面白さだと思います。

ところがこのようなわかりやすいリスク比較のなかにもさまざまなからくりが含まれています。

リスクを確率として計算する際に分母や分子に何をもってくるか、
数字の解釈の仕方等、
見方を変えることでリスクが逆転することさえありえます。
そこで、リスク同士を様々な見方から対決させて、
リスク比較の解釈の仕方を議論することを目的としました。

例えば、やせvs肥満では、
ちょいポチャのほうが死亡率が低い、という疫学データが最近よく示されています。
肥満は健康に悪いということがさんざん言われてきた中でのパラドックスだと言われてます。
これがバイアスの影響なのかどうか、ということをいろいろ場合分けしながら見ていくと、
また違った側面が見えてきます。

野球vsサッカー(スポーツのリスク)では、
プレイ中の死亡や負傷のみに注目しがちですが、
スコープを広げるともっと多面的な要素を持っています。
例えば運動による健康へのプラスの影響
プロ選手の引退後の寿命への影響、
プレイヤーのみならず観客としてのリスク
(ファウルボールでの負傷、興奮しすぎて突然死、優勝したとき道頓堀に、、、など)

乗り物対決では、
自発的移動手段としてのリスクと、社会の凶器としてのリスクの区分
リスクの指標の問題
(年間死亡率か、移動距離ごとの死亡率か、移動時間ごとか、移動回数ごとか、など)
の要素があります。

このように、共通の切り口で全く異なる分野のリスク比較を事例ベースで検討した結果、
リスク比較に共通するからくりを洗い出すことができたかと思います。

これがさらに進むとリスク比較のガイドライン化?までできるかもしれません。



posted by shimana7 at 21:53| リスク | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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