2014年05月29日

河川水中EDTA

厚生労働省から公開されている資料
「平成21年度未規制物質等の水道における存在実態調査委託報告書」
http://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/kenkou/suido/houkoku/suidou/101201-1.html

に、水道原水中のEDTAの分析値が掲載されているのに気がつきました。
いろいろな未規制物質の濃度を分析している内容ですが、
EDTAについては水道水を取水している主要河川23地点で分析され、
その内16地点で検出(定量下限0.5μg/L)、
検出濃度は0.9-42μg/Lという結果でした。

水道原水ということで、
ある程度きれいな水の分布を表しているものと思われます。
つまり、実際の河川水中分布はもっと高いことが予想されます。

藻類の毒性試験でつかうOECD培地のEDTA濃度は
100μg/L(Na2EDTA・2H2Oとして)ですから、
それに匹敵する濃度の地点は結構あるのではないでしょうか?

EDTAは金属と強力に結合する物質であり、
金属の毒性試験にはEDTAは使わない方がよいとされているところですが、
(金属の毒性が緩和されてしまうため)
ひょっとするとある程度入っていた方が
むしろ実態を反映しているのかもしれません。

それからBLMなどの金属の生物利用性を考慮するモデルにおいても
現時点で河川水中におけるEDTAの存在は考慮されていません。

私が以前書いた論文:
永井孝志, 恒見清孝, 川本朱美 (2007)
河川水中における重金属類のスペシエーション:Diffusive Gradients in Thin-films法による分析と化学平衡モデルによる推定
陸水学雑誌, 68(3), 391-401
においても、
DGTで測定した生物利用可能(と想定される)濃度は、
河川水中のEDTAの存在を考慮することで
うまく説明できることを示しています。

そろそろ本気でEDTAの存在を組み込んだBLMの開発
をするべき時かなあと思っています。
あとEDTAの濃度分布のモニタリングデータも必要ですね。



最後にどうでも良いですが、愛の湖公園(ブルージュ)P1000643.JPG
posted by shimana7 at 04:59| 研究 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする