2013年04月12日

リスク評価と管理の分離についてのメモ


さて、現在の食品安全に関する日本のリスク評価と管理については、
リスク評価機関がが食品安全委員会
リスク管理機関が農水省と厚労省となっており、
このトロイカ体制によって
リスク評価とリスク管理が機能的にも組織的にも分かれた形となっています。

リスク評価と管理の分離については、
Red Bookと呼ばれる1983年のNRCによる報告書に
良く記載されています。



ところで、
農水省が行っているリスク管理検討会というものがあります。
http://www.maff.go.jp/j/study/risk_kanri/about.html


平成17年度の第二回会議の概要
http://www.maff.go.jp/j/study/risk_kanri/pdf/summary_6.pdf
から、

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Codexおけるリスク評価とは、独立した機関による評価であると紹介されたが、リスク管理機関の一部によるリスク評価というのは否定されるのか。⇒Codexの「リスク分析の作業原則」と「リスク評価の役割」という2つの文書において、リスク評価機関とリスク管理機関には、機能的な分離(functional separation)を求めている。また、リスク管理機関とリスク評価機関のコミュニケーション(interaction;相互作用)を併せて求めている。海外の例をあげると、アメリカでは試行錯誤の結果として、リスク管理機関の中にリスク評価を行う組織があるが、機能的には分離。ヨーロッパでは組織から分けているところがあり、例えば、ドイツでは、同じ組織でリスク管理とリスク評価を行っていたものを2つの組織に分離。あくまでもCodexが言っているのは、機能的な分離と相互作用についてであり、様々な形態がある。
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ふむふむ、
米国EPAでは評価と管理を両方行いますし、
機能の分離と組織の分離は別物だということですね。

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ノルウェーでは、評価機関と管理機関の組織を分離し、最終的な責任の所在が曖昧になって失敗したと言われている。日本もリスク評価機関とリスク管理機関に組織を分離したことがいいのかどうかについて、今後評価する必要がある。
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え、ええーっ!?

いまさらですが、そういう話は初耳でした。
この意見、超重要な意見だと思うのですが、
この意見に対しては特に返答が示されておらず、
その後の会議でもこの話題が取り上げられることはありませんでした。
このノルウェーの失敗事例についての詳細が知りたいです。

まあ組織の話は農水省単独でできることではありませんけど、
では一体、トロイカ体制の問題を議論できるのはどこなのだろう??
と疑問に思ってしまいます。

これが平成18年の話ですから、
3.11を経てこの組織の分離の問題は再燃してもおかしくないはずですね。


posted by shimana7 at 10:36| リスク | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする