水生生物保全に係る水質環境基準については
亜鉛とノニルフェノールに加えて、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸が追加になるようです。
http://www.env.go.jp/press/press.php?serial=16182
最初にできた亜鉛の環境基準はもう10年も前になりますが、
いまさらまた追っかけ始めています。
基準値オタクの一員としては、
基準値をめぐるエピソードやドラマってやっぱり面白いなと思うところです。
基準値の科学的な解説自体も重要ですけど、
その裏側にある社会的なあれこれは
科学のみで語ることのできない「線引きの本質」をえぐりだすような気もするところです。
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朝日新聞2003年6月26日
水中の亜鉛規準 産業界から反発 答申見送り 「カゲロウが死んで何が悪い」
http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/ugoki/ugoki_03/ugoki_03_06.html
魚介類やプランクトンなど水中の生態系を守るため亜鉛の環境基準の設定を検討している中央環鏡審議会水環境部会で25日、産業界出身の臨時委員が設定に反対し、同日に予定されていた答申が見送られた。
専門委員会がまとめた基準は河川が1リットルあたり30マイクログラム(マイクロは100万分の1)、海が同10〜20マイクログラム。イワナやヒラタカゲロウの個体数が減少した実験結果を参考に決めた。部会では、産業界出身の委員が経済に悪影響があるとして反対。委員の一人が「ヒラタカゲロウが死んで何が悪い」と発言したことから議論が紛糾した。
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「カゲロウが死んで何が悪い」
というのは(飲み屋ならともかく)審議会という場にあってはかなり衝撃的な発言ですよね。
でもこれ本当に言ったのかどうかが気になります。
この会議の議事録は環境省から公開されています:
中央環境審議会水環境部会(第8回)議事録
http://www.env.go.jp/council/09water/y090-08a.html
この中には「カゲロウが死んで何が悪い?」という言葉、
もしくはそれに類似する表現は出てきません。
実際には言っていたけど議事録には残らなかったのか、
それとも新聞記事での表現が誇張されたものだったのかはわかりません。
とても気になるところです。