2011年04月24日

論文受理


Nagai Takashi, Ishiahara Satoru, Yokoyama Atsushi, Iwafune Takashi (2011)
Effects of four rice paddy herbicides on algal viability and the relationship with population recovery
Environmental Toxicology and Chemistry

新しい論文がアクセプトされました。
たぶん今の職場ではトキシコロジーの人だと思われている
のかもしれませんが、
実はトキシコロジーの論文を書いたのはこれが初めてです。


個体群動態ベースの農薬の生態リスク評価のために、
藻類の個体群モデルを記述するためには
GrowthとMortalityに対する農薬の影響を関数で表す必要があります。

特にMortalityについてはこれまでそのようなデータが存在しなかったため、
手法的な検討を行った後、いくつかの除草剤でデータをとってみました。

さらに、除草剤の一時的な影響からの回復性を調べて
GrowthとMortalityで予測できそうかを考察し、
toxicokineticsまでを考慮しないと無理そうだ、
と結論付けました。


手法的にはフローサイトメトリーなどの
面白い手法も使っています。
大学の卒業研究から顕微画像解析をツールにしてきたこともあり、
分光分析は(リモートセンシングあたりまでも含めて)基本的に好きです。

現時点ではまだ結構手間がかかっているので
次はもっとハイスループット系でのデータ整備ができる実験系に
改良したいと考えています。


あとはこのデータを使って個体群モデルを作ることになります。
この論文中でそこまでやらなかったのは
とりあえずデータだけを公表して
あとはそれを誰でも利用できる状態にしておきたかったからです。


トキシコロジーの論文を書いてみて面白いと思ったこともありました。
これまで水環境の分野で主に論文を書いていて、
実験結果で得られた細かい事実から、
複雑な水環境中でのプロセスをいかに推測するか?
という部分に醍醐味があったと思います。

ところがトキシコロジーでは、
そのような考察をすると査読者から不評を買い、
ようは、これまで得られたデータと比較してどうだとか、
事実関係だけを考察として書けばよい、
ということらしいのです。
ある意味楽といえば楽なのですが。

しかしながら、
すべてが解明できるはずがない複雑な現場の生態系
を扱う際にはどうしてもそこから抜け出していく必要性もあるだろうな
とも思います。



posted by shimana7 at 22:25| 研究 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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