2014年12月14日

生態リスク評価関連の海外の動向


せっかく現在海外にいるわけですが、なかなか余裕が無く
生態リスク評価の海外動向をきちんと追うことができていませんでした。
4月以降でも生態リスク評価関連の海外の動きはいくつかあるようです。
以下に備忘録としてメモを書きますが、
きちんとレポート等読めているわけではありません。

また、以下に書いた以外にもありますが、
それはまた違う機会に書いてみようと思います。



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1,オランダでイミダクロプリドの水質基準値案が出された

Water quality standards for imidacloprid : Proposal for an update according to the Water Framework Directive
http://www.rivm.nl/en/Documents_and_publications/Scientific/Reports/2014/april/Water_quality_standards_for_imidacloprid_Proposal_for_an_update_according_to_the_Water_Framework_Directive

かなり厳しい基準値の様に見えるが、
慢性影響をベースとしているので、このくらいにはなるかな、という感じ
年間平均値でこれを超えるようなことは無さそう。



2,OECDのテストガイドラインにフサモ(Myriophyllum)の試験法が追加

Test No. 238: Sediment-Free Myriophyllum Spicatum Toxicity Test
Test No. 239: Water-Sediment Myriophyllum Spicatum Toxicity Test
http://www.oecd-ilibrary.org/environment/oecd-guidelines-for-the-testing-of-chemicals-section-2-effects-on-biotic-systems_20745761

藻類やウキクサに対して毒性が高くないオーキシン系の除草剤を
メインターゲットとした試験法。



3,ECETOCから、種の感受性分布(SSD)についてのレポートが公開

WR 28 : Estimating toxicity thresholds for aquatic ecological communities from sensitivity distributions | 02/12/2014
http://www.ecetoc.org/index.php?mact=MCSoap,cntnt01,details,0&cntnt01by_category=22&cntnt01order_by=date%20Desc&cntnt01template=display_list_v2&cntnt01display_template=display_details_v2&cntnt01document_id=9643&cntnt01returnid=59

SSDのさらなる活用についての今後の課題などがまとまっている感じ



4,EFSAが複数の化学物質によるリスク評価法についての会議を開催

EFSA Scientific Colloquium N°21: Harmonisation of human and ecological risk assessment of combined exposure to multiple chemicals
http://www.efsa.europa.eu/en/events/event/140911.htm

生態影響についてもプレゼン資料が公開されている。
濃度加算モデル(Concentration Addition Model)の
レギュラトリーな活用に向かって突き進んでいるかのように見える。

posted by shimana7 at 06:31| リスク | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年12月06日

論文受理


ベルギー滞在も残りわずかとなりましたが、
最近論文が二本受理されました。

一つは、緑藻を用いた金属の複合毒性試験を行い、
モデルによる予測と比較した研究です。
Cd, Zn, Cuの複合毒性は
濃度加算モデルよりも独立影響モデルの方が合いますよ、
という内容です。

永井孝志、加茂将史
藻類に対する金属複合毒性のモデリング:Biotic Ligand Model, 濃度加算, 独立作用の比較
日本環境毒性学会誌


もう一つは、除草剤の種の感受性分布(SSD)の推定法についての論文です。
除草剤は藻類などの一次生産者に特異的に毒性が高く、
SSD解析の際には、一次生産者の毒性データが多数必要となります。
現実的にはそのようなデータが揃う剤はほとんど無く、
SSDを用いた生態リスク評価ができない状態でした。
そこで、どの除草剤でもデータが揃う緑藻の毒性値と
作用機作の情報からSSDを推定する手法を開発しました。
SSDの形状は作用機作によって特徴的なので、
そこそこの推定ができます。

Nagai Takashi, Taya Kiyoshi
Estimation of herbicide species sensitivity distribution using single-species toxicity data and information on the mode of action.
Environmental Toxicology and Chemistry
http://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1002/etc.2828/abstract


どうでもよいですが、写真はルーベン大学図書館
こんなところで勉強してみたいものですね。
P1010665.JPG
posted by shimana7 at 06:33| 研究 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする